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2017年2月

2017年2月24日 (金)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑫(ラスト)

 



さて今回でいよいよ、これまで長きにわたりお送りしてきた『実録・だんじりセミナー』の、第1回目分の教科書を終了します。


前回、『人はなぜだんじりに熱狂するのか?』を論じてきました。

それを受けて、いよいよ着地点へと進んで参りましょう。
最終テーマです。

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     ↓↓↓ 以下は教科書 ↓↓↓


◉ なぜ『だんじり』にはマニアや研究者が存在するのか?


 ⚫ ︎だんじり本体の芸術性

神社の祭礼に繰り出される『出し物』、これを総じて『神賑わい』と呼ぶと申し上げました。

この『神賑わい』には様々な種類があり、例えばここ大阪の『天神祭』を見ても、だんじり以外に『枕太鼓』や『獅子舞』、それに『神輿』などが繰り出します。

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しかし、天神祭の『渡御列』を見ても、だんじりの周囲にはマニアが取り囲むように一緒について歩く光景が見られますが、それ以外の出し物に、マニアの姿はありません。

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これは何故なのでしょうか?

ひとえに、『だんじり』にはそれだけの存在感があるという事なのでしょう。

それは、だんじりに施された『彫物』をはじめとするだんじり本体の芸術性と、鳴物(お囃子)の音楽性、そしてだんじりが道路を曳行するアクションが、見る者を魅きつけてやまないから・・・なのではないでしょうか?


『だんじり』のそうした魅力は、確かに他の出し物に比べると、抜きん出た存在感を発揮している事が分かります。


特に、マニアと呼ばれる人達が傾倒するのが、その『彫物』の芸術性です。

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彫物の魅力については次回のセミナーで詳しく述べる予定ですが、だんじり本体の価値は彫物で決まると言うように、だんじりを多く見て回る人達の多くは、皆一様に彫物に魅力を感じている人が多いです。

なぜなら、同じ地域で行われる祭礼は似ていても、だんじり本体も彫物も1台1台みな違っていて、二つとして同じものが無いからでしょう。

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だから、彫物に魅力を感じる人達の多くは、1台でも多くのだんじりをこの目で見んと、今日もどこかのだんじりを追い求めて、出歩いている事でしょう。



 ⚫︎ 祭の高揚感が忘れられない

泉州などの地域で、シーズンオフに『入魂式』などでだんじりが見られる機会があると、いつも大勢の見物人が詰めかけます。

みんな普段から『だんじり』を見たくて仕方がないのでしょう。
一年を通して『だんじり』好きの多い地域ほど、その傾向は顕著です。

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中には、上記のマニアと呼ばれる人達のように彫物とかが好きな訳ではなくても、だんじりが出ると聞くだけで、居ても立っても居られないというタイプの人も多く居ます。

こういうタイプの人達は、とにかく祭の時の高揚感が忘れられないのでしょう。

祭礼本番に味わった空気を、シーズンオフにも味わえるなら足を運んでみよう、そんなタイプのだんじり好きも大勢おられるのです。

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数ある『祭礼文化』の中でも、そこまでマニアが活発に活動するジャンルは、『だんじり』を置いて他に無いのではないでしょうか?


    
   ↑↑↑ 以上、教科書 ↑↑↑



と、このように話を着地させて、
『では実際にだんじりを見に行きましょう!』
という事で、次回セミナーまでの期間に行われる『だんじり行事』を紹介して、受講生の皆さんが実際にだんじりの見れる現場へ足を運ぶようご案内して、セミナーを締めくくるという流れでした。

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まぁ実際には半分以上を消化できず、一部カリキュラムを2回目に回すなど、経験不足を露呈する結果となりましたね。



それだけに、今年もう1回リベンジしたいという気持ちもありましたが、またの機会にさせて頂きます。



2回目以降のセミナーは、教科書の内容も精査し、また話し方も改良して、徐々に慣れて行きましたが、それでも、人前で話すことの奥深さ、難しさ、そして面白さはまだまだ経験し切れてないと思います。


またいずれ、『だんじりセミナー』を復活できる日を願って・・・


2017年2月23日 (木)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑪

 



けっこう長きにわたりお送りしてきました信濃屋お半の『実録・だんじりセミナー』ですが、ようやく第1回目に予定していたカリキュラムを終える事が出来そうです。

今週分をもちまして、1回目分が終了ですよ。

思い返せば、この第1回目のために用意した教科書だけで、ゆうにセミナー2回分の内容だった様に思います。

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長かった第1回目のセミナーも、主旨・目的から入り、『だんじり』というものの総説、分布と祭礼の違い、型分けといった内容から、だんじりを運営する組織、そして先週からは『だんじり』を取り巻く社会的環境といった分野へと話を進めてきました。

とゆー訳で今週はその着地点を目指して、現代のだんじりに関わる『人』について、お話を進めて参りたいと思います。




   
   ↓↓↓以下は教科書より↓↓↓



◉ 人はなぜ『だんじり』に熱狂するのか?


 ⚫ ︎『だんじり』がなかったら生きていかれへん!


前の項で、だんじりが地域に受け入れられない問題や交通渋滞の問題など、社会的迷惑な部分もあるという側面も取り上げました。

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しかし、こと『だんじり』に携わっている人の多くは、『だんじり』が好きで好きでたまりません。

仕事があり、家庭があり、学校や部活もあり、それぞれが皆それぞれに社会生活を送る中で、
『だんじりがなかったら生きていかれへん!』
と公言してはばからない人は大勢います。

講師であるワタクシ自身もその一人。

『No Danjiri No  life』
を地で行く人の、なんと多いこと。

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仕事も家庭も、学校も部活も大事やけど、『だんじり』の時は何を置いても『だんじり』が大事やねん!・・・という人達の、『無償の努力』によって、だんじり祭は支えられています。



     
↑↑↑以上、教科書↑↑↑



と、ここまで論じて言うのも何ですが、今現在は上記のようなことが崩れてきてるんですよね?

『だんじりがなかったら生きていかれへん!』

て思っている人が、昔に比べてずいぶん減っている現状・・・
『だんじり』が生活の中心ではなくなりつつある現状・・・
青年団として活躍するはずの高校生世代は、だんじりよりも部活の方を優先される現状・・・

『だんじり』に関わる人達も、時代とともにその関わり方に変化が生じているのが今現在の状況なのですが・・・

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先週も申し上げた通り、実際のセミナーでこの部分はやらなかったのですが、もしセミナーでこの部分を取り上げていたとしたら、この教科書に書かれた内容をなぞって、そのままスルーしていたと思います。

だって、教科書で論じておいて、その逆説を唱えると、それだけで時間を費やしてしまいます。

また、あくまでも『初心者向け』のコンセプトを貫くためにも、実際のセミナーでは触れないと思いますが、このブログではちょっと触れておきたいと思いました。


ではまた教科書に戻りましょう。


   
↓↓↓以下は教科書↓↓↓



⚫︎『だんじり』で何が得られるのか?


では、だんじりに携わる人達の多くは、なぜそこまで情熱を燃やせるのでしょうか?


『だんじり祭』をやっていくためには、現代人にとって大切な3つを、差し出さねばなりません。

一つは『お金』
一つは『時間』
一つは『労力』です。

祭礼団体に加入すれば会費が発生し、さらに自らご祝儀を出し、衣装や道具を揃え、寄合や準備となれば仕事終わりや休日に時間を作って参加し、そして現場では汗を流して動き回らねばなりません。

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『だんじり』には、そこまでしてでもやりたい理由があるのです。

それは、だんじりでしか得られない高揚感、充足感、連帯感、そして満足感があるからに他なりません。

この気持ちは、祭に参加した事がなければ分からないという人も居ます。
青年から年配者まで、世代を越えた仲間のみんなでお金を出し合い、仲間のみんなで段取りをして、仲間のみんなと祭を共にする事で、得がたい地域の繋がりや連帯感、達成感や喜びを得ることが出来るのです。

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これが、だんじりに熱狂する人達に共通した、だんじりに感じている魅力なのではないでしょうか?



(次回に続く)


2017年2月17日 (金)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑩




さて前回から『実録・だんじりセミナー』は、セミナー本編でも時間の都合で割愛され、2回目に繰り越される事もなかった未公開部分を初公開しています。

今回はさらに社会的な分野へと進んでまいります。


毎度毎度申し上げますが、写真はイメージです。

本編内容とは直接関係ありません。

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   ↓↓↓以下は教科書より↓↓↓



◉地域や警察との関係


 ⚫ ︎道路使用許可申請


だんじりを曳行する場合、基本的に各だんじり組織の責任者が警察へ出向き、『道路使用許可申請』をしなければなりません。

その時に『試験曳き』を含めたすべての曳行日程と、開始時間と終了時間を決め、様々な条件のもとに許可が下されます。
加えて言うなら、この許可がなければ、いくら祭礼日であっても、だんじりを公道へ曳き出す事は出来ません。

条件とは主に、事故やトラブルに関する取り決めや、曳行に参加する人の規定などが記載されてあり、これに違反すると、曳行許可を取り消される場合があります。

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 ⚫ ︎開始時間と終了時間

特にうるさく言われるのは、この開始時間と終了時間です。
岸和田などの泉州では、早朝6時より祭礼が始まりますが、これはまぁ特殊な例であり、泉州を除く多くの地域のだんじりは、そんな早朝から鳴物を鳴らして曳行することは許可されません。

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また開始時間よりさらにうるさく言われるのは終了時間です。
昔は深夜になっても小屋に収めない例もありましたが、地域からの騒音に関する苦情は年々増加傾向にあり、現在はほとんどの地域で、午後10時を目安に終了する事が条件とされる事が多いです。


  
   ↑↑↑以上、教科書。↑↑↑



この警察への許可申請などは、実際に祭礼に参加している人でも、関わる事がなければピンと来ない部分かも知れません。

しかし、だんじりを曳行する場合は、祭礼に限らず試験曳きやイベント、入魂式でも警察からの許可が必要で、その許可の取り方、提出せなアカン書類や期限など、意外と知られてない事も多いです。

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だんじり初心者にセミナーするには難しい分野でもあるのですが、だんじりはこうした公的な手続きを踏んだ上で、公の道を曳かれているんだという事を伝えようと思いました。

さて、その申請の中で『騒音に関する苦情』という文言が出てきたのを受けて、次に入ります。



  
   ↓↓↓以下、教科書より↓↓↓


 ⚫ ︎だんじりは迷惑なもの?…騒音と渋滞の問題


だんじりは地域のコミュニティの象徴であり、地域の『宝物』であるのですが、世の中、だんじりが好きな人ばかりではありません。

地域の人達の繋がりが希薄になった現代では、だんじりのある地域でさえ、だんじりが一歩道路へ出れば、鳴物の音が騒音と感じる人も多くなりました。
また幹線道路をだんじりが通行すれば、たちまち交通渋滞を引き起こしてしまいます。

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大規模な『岸和田だんじり祭』のように、だんじりの曳行エリアを完全通行止めにできる地域などほとんどありません。
どこの地域も、車の流れを妨げないよう警察から指導を受けています。

また鳴物の音をうるさいと感じる人は、だんじりを好きになる事など考えられません。

さらに祭礼を運営する費用は、地域の方からの寄付(ご祝儀)によって成り立っていますが、これら寄付やご祝儀の徴収を、快く思わない人も多くなりました。


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こうした時代の変化の中で、だんじりを理解してもらうのはなかなか大変です。

鳴物に苦情を出す人の多くは、最近になって新しく引っ越して来た人であるとも聞きます。

人口の入れ替わりで、祭礼文化に馴染みのない人が新しく住む事で、地域に昔からある『だんじり』という文化が受け入れてもらえない実情も、あちこちで起こっている事なのです。


これらの問題とどう向き合い、どう折り合いをつけてゆくかという事も、だんじりを広く知ってもらい、
『あぁ、だんじりって、ええモンやな』
って思ってもらうためには、避けては通れない課題である事も、知っておいて欲しいと思います。


    
   ↑↑↑以上、教科書。↑↑↑


いかがでしたか?
セミナー本編ではこれに関してワタクシ個人の見解を話したかったのですが、時間の都合で割愛した部分なので話せませんでした。

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またブログでも長くなってしまったので、セミナーで話したかったワタクシの見解なども含めて、続きは次回に・・・



(もう1週続くよ〜)



2017年2月15日 (水)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑨

 


長い期間にわたりお届けしています、
『実録・だんじりセミナー』
のシリーズですが、いよいよ今週お届けするのは、第1回目の教科書から実際のセミナーでも時間がなくてお話しできなかった部分をご紹介します。

繰り返し申し上げますが、写真はイメージです。

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持ち時間90分、しかも第1回目は自己紹介的なものから始まり、セミナー本題に入るまでの前置きがあり、しかも15分ほどの動画も上映し、その上教科書は分厚く作ってしまったために、半分も消化できなかったのが実情。


時間内に収まりきらなかった部分のうち、これだけはやっておかねば話が前に進まねーと、2回目に繰り越した内容は先週お届けしました。

とゆー訳で今週は、第1回目のセミナーで語られず、なおかつ2回目に繰り越される事もなかった、本当の未公開部分をご紹介いたします。

正真正銘、初公開です。

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これを紐解いてゆくうちに、なぜ繰り越さずに未公開となったのかも、見えてくるのではないでしょうか?


前回までは、だんじりの『型分け』や地域ごとの違いなどを解説しましたが、今回からは、『だんじり』そのものを取り巻く、現在の社会事情や環境などに話が及んで行きます。



それでは参りましょう。

 
   ↓↓↓ 以下は教科書から。↓↓↓



◉ だんじりを運営する組織


 ⚫︎ 各町会が組織するもの

主に岸和田などの泉州地域や南河内なとでは、だんじりは各町会や自治会が所有、運営します。
そしてその中でも年齢別に組織が分かれていて、青年団、組、若頭会、世話人会など、それぞれ役割分担がされていて、それぞれの団体に責任者となる『長』がおり、組織をまとめている。

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 ⚫︎ 地域の有志団体で運営するもの

泉州や南河内以外の地域の多くは、町会や自治会ではなく、祭礼をするための有志団体で運営しており、その多くは『地車保存会』と呼ばれる場合が多い。

それらの多くは母体となる組織(保存会など)の中に青年団、青年会、若衆会などの別組織があり、母体組織の指揮系統によって管理、運営されている。

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 ⚫ ︎複数のだんじりを取りまとめて運営する連合組織


祭礼の規模を大きくするための手段として、同じ神社の氏子同士、また同じ地域や隣接する地域同士で『連合』を組み、宮入やパレードなどの見どころを設定したり、そのための許可申請や交渉ごとをするための団体。

基本、各町からその役割を担う者が選出され、会合などに出席するほか、祭礼当日の運営や警備などにあたり、自町のだんじりから離れて活動する場合も生ずる。


 
   ↑↑↑以上、教科書より。↑↑↑



ここでホワイトボードに登場するはずだったのは、岸和田祭に参加する人なら見た事のありそうな、組織のピラミッド図

いくつか種類の違うピラミッドを用意して、それらを見比べることによって、地域によって運営する組織も違うということを、セミナーしようとしていました。

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実は、だんじりを運営する組織の違いは、祭礼参加者の間でもよく知られていません。

自分の参加する地域のだんじりの組織の事は知っていても、全然違う地域の組織の事など、まぁ知らなくて当たり前なのですが、たまに他所のだんじり祭を見学に出かけた時に、どんな立場の人が組織をまとめてるのか、誰の合図でだんじりが動いているのか、見ていても戸惑う場合があります。


組織の違いや運営の違いを把握する事も、『だんじり』という文化を広く知るための一つの要素なのかも知れません。

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さて次回はもうちょい社会的な分野へと進んで行きましょう。




(次回に続く)


2017年2月10日 (金)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑧




ではでは今回は引き続きまして、『上地車』のさらなる細かい分類に入って行きましょう。


前回、『岸和田型』=『下地車』は『上地車』の進化形と申し上げた通り、『だんじり』の基本形は『上地車』であります。

その『上地車』は、分布する地域によって、多種多様な『型分け』がされます。
それは、各地域ごとの祭礼が異なることにより、だんじりの形態も違ってくるという事になります。

では実際に、それぞれの型を見て行きましょう。

なお解説は初心者に分かりやすい様に、細かい部分は簡略化してあります。
なので、厳密にはそうではない場合も混在しています。



◎大阪型
       ⚫︎最も基本形に近いとされる上地車。もとは幕式であったのを、次第に彫物を増やして進化した。

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◎住吉型
      ⚫︎住吉の大工によって大阪型を豪華さを加えたもの。彫物の密度が濃く、また量産しやすい工夫がなされている。

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◎泉大津型
      ⚫︎上地車の中でもひときわ豪華さと安定感を持たせた進化形。折衷型の原形とも言える。

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◎神戸型
      ⚫︎坂道の多い神戸の土地柄にあわせ、外ゴマ式が最大の特徴。前後二枚の幕式が標準で、舞台柱と腰柱の本数が違う。

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◎尼崎型
     ●山合わせを行うための棒鼻が長い。本体の構造は一般的な上地車である。

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◎宝塚型
      ⚫︎構造に大きな差はないが、屋根の形、腰の高さ、土呂幕などに違いがある。

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◎北河内型
      ⚫︎背の高さと、溢れんばかりの重量感、屋根廻りを中心とした大ぶりな彫物が特徴。数あるだんじりの中でも最大サイズと言えるのが北河内型である。

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◎石川型
      ⚫︎南河内を流れる石川流域に存在する形式で、勾配の大きい丸型の屋根、背の高さ、前に迫り出した舞台が特徴。材質はヒノキが多く使われ、『俄だんじり』とも呼ぶ。

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◎折衷型
      ⚫︎昭和の終わり頃に堺市内を中心に考案された形式で、岸和田型の意匠を取り入れてミックスした、見栄えが派手で遣り廻しに適した形式。

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◎その他
      ⚫︎社殿型をしたもの、船型をしたもの、屋根の構造が違うもの、ハッキリとした型分けが出来ないものなど、稀な存在のだんじりも数多くある。

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     ↑↑↑以上、教科書より↑↑↑



本来、だんじりの型分けはもっと細かく分類されたり、また例外的なものの存在まで考慮して論じるべきなのですが、セミナーとしてはこれぐらいが限界です。

実際、『だんじり初心者』である受講生の皆さんにとっては、非常で複雑で難解な内容であったと思われます。

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この『型分け』に関しては、だんじり研究者の間でも意見が分かれるところもあり、便宜上そう呼ばれている形式もあったりします。


セミナーを受ける側にとっても難解な内容であり、またセミナーをする側にとっても難しい分野でした。

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セミナー2回目『だんじりの発祥と歴史』をテーマに考えていたのですが、すでに2回目の冒頭の時間を使って解説していたので、あまり時間も取れない・・・というのが現状でした。



さて、次週お送りする内容は、セミナー内でも語られなかった、完全なる『未公開版』となります。

むしろこの『未公開部分』を誌上公開するために、これまで回数を重ねてセミナーを振り返ってきたと申し上げても過言ではないのです。

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お楽しみに!



2017年2月 8日 (水)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑦

 


セミナー第1回目も、ずいぶん進んできましたね。

今週お送りする内容からは、第1回目用の教科書に書いた事ではあるのですが、時間がなく収まり切らなかった部分へと突入して行きます。

その中でも、2回目に繰り越してでもやらねばならない部分と、完全に『没』にしてしまった・・・すなわち話す機会がなかった未公開部分とが存在します。


それを今週と来週に分けてお送りする事で、ひとまず、『セミナー第1回目』の内容はクリアする事になります。

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では今回は、2回目に繰り越してでもやらねばならなかった部分をご紹介します。

それは、だんじりの『型分け』です。


ね?・・・これは繰り越してでもやっとかんとアカン分野でしょ?

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    ↓↓↓では、以下は教科書↓↓↓


③だんじりの『型分け』と地域性

  ◉『上地車』と『下地車』の違いと、各部分の名称


『だんじり』というものを学んで行く上で、必ず知っておかねばならない事の一つとして、この『上地車』と『下地車』の違いがあります。
だんじりを見分ける、基本中の基本と言えます。

何が違うかと言うと、姿形と構造が違うのであります。

『上地車』と『下地車』の、代表的な写真を見比べて、まずはその違いをイメージして下さい。

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『下地車』は『上地車』の進化形でありますので、本来なら『上地車』から学習してゆくのが順序なのですが、実は『下地車』から見てゆくほうが覚えやすいので、まずは『下地車』の方を見て下さい。

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『下地車』とはすなわち、有名な『岸和田だんじり祭』に登場するだんじりの事をさすのです。
この形のだんじりの事を『岸和田型』と言い、『岸和田型』のだんじりの事を『下地車』と言います。

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そして、この『岸和田型』に分類されない他のだんじりすべてを『上地車』と呼びます。

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さらに、それぞれのだんじり本体の、基本的な部品の名前を覚えななければなりません。

 



だんじり初心者である受講生の皆さんですので、細かい部分まで覚えきる必要はありませんが、大まかな部分の名称は、この後のセミナーのみならず、いざ実際にだんじりを見に行った時などの会話で用いる事も多く、覚えておいて損はありません。

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だんじり本体を鑑賞するときに必要となる部分の名称は、できるだけ覚える様にしましょう。


   
↑↑↑以上、教科書より↑↑↑



つまり、ここで覚えてもらった各部の名称は本当に基本的な部分のみで、まず『上地車』『下地車』共通の部分として、大屋根、小屋根、台、車輪(コマ)という部分。

構造の違いとして、屋根の下の枡組、舞台柱の違い、腰廻りの違い、飾り金具の有無などを挙げました。

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『下地車』に見られる『カラクリ』の説明や、それに伴う見送り部分の構造などは、9月に予定していた『岸和田編』で詳しく説明するつもりだったので、ここではサラッと流しただけで済ませました。


で・・・この『上地車』と『下地車』の違いを踏まえた上で、次は『上地車』をもっと細かく分類してゆく作業へと入ってゆくのです。




(次回に続く)

2017年2月 3日 (金)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑥

 



『だんじりセミナー実録』6回目は、だんじりの分布する地域と、それぞれの祭礼の違いなどをお話します。

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実際のセミナーでは、これら地域によっての祭礼の違いを理解していただくために、15分ほどの動画を見て頂きました。

各地域の『だんじり祭』の様子を、矢継ぎ早にざっと見て頂くべく、ワタクシが編集していったものです。

 ↓↓↓以下はその収録内容↓↓↓



◎兵庫県・神戸市の祭礼
        →本山パレード、阪神住吉駅前など

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◎兵庫県・宝塚市の祭礼
        →宝塚だんじりパレード


◎兵庫県・尼崎市の祭礼
        →貴布祢神社の山合わせ

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◎大阪府・大阪市の祭礼
        →平野区・杭全神社、生野区、巽神社、城東区・鴫野パレード、福島区・海老江八阪神社など

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◎大阪府・北河内の祭礼
        →大東市・四条まつりなど


◎大阪府・中河内の祭礼
        →柏原市パレード、東大阪市・長瀬神社など


◎大阪府・南河内の祭礼
        →千早赤阪・川野邊入魂、太子町パレードなど

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◎大阪府・泉大津の祭礼
        →泉大津濱八町カチアイ


◎大阪府・岸和田市他、泉州各地の祭礼
        →岸和田だんじり祭、堺市鳳地区、泉大津十二町パレード、貝塚市麻生郷地区、泉佐野市上之郷地区など

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↑↑↑↑ どうです?
これだけのだんじり祭の映像を、約15分ほどにまとめると、かなりの見応えになります。

言わば、この日のセミナーのメインイベントがこの動画であったかもしれません。
よく『百聞は一見にしかず』と言われますけど、『説明より動画』…て感じでした。

受講生の方々も、『だんじりって、こんなにもあるんか・・・』ていう感じで、食い入るように見ておられて、見終わった時には拍手が起こりましたからね・・・

おそらく、このセミナーのテーマでもある『各地の多種多様なだんじり』というものを、受講生の皆さんもこのとき初めて『イメージ』として掴めたんじゃないかと思います。

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この動画上映の後の教科書には↓↓↓


このセミナーの最初に申し上げた様に、だんじりは果たして『岸和田』だけのものか?
いや、そうではない。

関西の『摂河泉紀和』と呼ばれる地域に、これだけ多岐にわたるだんじりが存在し、それぞれの地域で、それぞれの時期に、祭礼を行なっているのです。

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そこには、それぞれの歴史を背負い、それぞれの地域の文化によって発展を遂げた祭礼があります。

但し、それが世間一般にはほとんど知られていない。
それが実情なのです。

だからこそ、この『だんじり』という文化の、あるがままの姿を、広く知って正しく理解し、広く世間に発信することが大切であると思い、このセミナー開催に至りました。

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では、興味深い各地のだんじりを、これからのセミナーで掘り下げて見て行きましょう。



↑↑↑↑と、以上が項目②に掲げた『だんじりの分布と地域による祭礼の違い』というお話でした。


これを踏まえて、次回はいよいよ、だんじりの『型分け』へと話が進んでゆきます。



(今月もこのシリーズが続く)


2017年2月 2日 (木)

実録…信濃屋お半のだんじりセミナー⑤

 

 

まだまだ続く、『実録…信濃屋お半のだんじりセミナー』でございます。

昨年4月2日(土)に行われた第1回目は、あまりにも分厚く作ってしまった教科書を消化できずに、その大半をやり残してしまった経緯があります。

その分厚い教科書を元にセミナーのあらましをこうして文字で振り返って行くと、全然前に進まないことに気付きますね。

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ではそんな『実録セミナー』も3週目に突入します。


それでは、今週も開講!・・・と参りましょう!



先週までの分で、『神賑わい』としてのだんじり、地域の『宝物』としてのだんじり、祝い事に用いられるだんじり・・・までをお話しましたね。

では今週はその続き。

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②だんじりの分布と地域による祭礼の違い

に入って行きましょう。



この教科書を作成するにおいて、話の進め方や順序なども含めて参考にしたのが、当サイトの『だんじり学入門』でした。

要は、そこに書かれてある事をベースに、自分なりの研究要素をプラスして行けば良いのだと思い、作成して行きましたので、まぁよろしければ当サイトの『だんじり学入門』を併せて参照して頂いても結構です。


では、以下は教科書↓↓。


冒頭の記述に『近畿一円』とありますが、当セミナーで扱う『だんじり』は、厳密には近畿一円に分布しているものではありません。

同じ近畿でも京都府や滋賀県で『だんじり』の姿を見る事はありません

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『だんじり』という祭礼文化は『大阪』の文化なのです。
なので『だんじり』の分布も、大阪府がその大半を占めています。

そしてその他の府県では、兵庫県、奈良県、和歌山県のそれぞれ一部に『だんじり』の存在を確認できますが、それらは主に大阪府に隣接する地域が中心で、大阪府から遠ざかるにつれ、次第にだんじりの姿は見られなくなります。

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文化圏が変わる・・・と表現しても良いかも知れません。


そこで、それらをひとまとめに表記するキーワードがあります。

だんじりの分布する地域は、昔の呼び名で言うところの『摂津』『河内』『泉州(和泉)』『紀州』『大和』という地域にまたがり、それらをまとめて、『摂河泉紀和』と表記します。

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ごく稀に、飛び地的に遠く離れた土地にだんじりが存在する場合もありますが、このセミナーでは、『摂河泉紀和』に分布するだんじりについて、見て行くことにします。


↑↑↑これはまぁ、例えば兵庫県の城崎温泉や岡山県などにもだんじりは存在するけど、ひとまず、近畿に固まって分布するのは『摂河泉紀和』と呼ばれる地域なので、セミナーではその地域のだんじりを扱います・・・という意味です。

だんじりの総説から始まり、概要を説明し、ようやく『だんじり』そのものの現在形について話が及んで来ました。

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次回はその分布と型分けなどについて話を進めて参ります。




(次回に続く)